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当然のように、「ほかのホテルや会館では披露宴を6時間、8時間かけてやっているのに、盛岡グランドホテルは短すぎる」というクレームがありました。
でも、1日1回転でいくら満足していただいても、それでは経営は成り立ちません。
そのことを社員にきちんと教えて、1日3回転させるような体制にしたのです。
地方都市で披露宴を2時間半体制にすることは、生やさしいことではありませんでした。
お客さまの意見を聞けば、ほとんどの人は2時間半なんてとんでもないという意見ばかりです。
「2時間半の結婚式に出たけれど、とても物足りなかった」と、本人も親御さんも言います。
「何とか2時間半にしたい。それにしても2時間半は短いというのが本当に正しいのだろうか」と、私たちも非常に悩んだ時期がありました。
ところがよく考えてみると、本人が出ているのは、だいたいの場合友達の結婚式であり、プラスワンの言葉を大切にしようとする両親の場合は親せきの結婚式なのです。
ということは、お付き合いで出ているのではなくて、自分の感情を込めて出ているときなのです。
実は、私たちの調査はマーケティングではなくて、その意見ばかり聞いていたことになるのです。
その人たちにとってみれば、3時間どころか、4時間、5時間であっても短く感じます。
人間の心理というのはそういうものです。
絶対的な時間に対して、長さや短さを感じるのではなくて、その人のそのときの状態における感覚や感情で時間感覚は左右されるということです。
原因がわかれば答えは簡単で、お客さまが思っていることはそのとおりですので、そのまま全面的に肯定して、「どこへ行っても皆さん同じことを言います」と言って、そのまま受け止めます。
そして、その後で、こう言うわけです。
「しかし、ご招待する方、特に上座に座られる大切な方や、普段お世話になっている人たちは大変お忙しい方ばかりです。自分の身内や親せき、友人ばかりなら披露宴はいくら長くてもいいのですが、大切な人に迷惑をかけるようでは、本当の意味での披露宴とは言えないのですよ。現にそういう人たちの意見も聞いてみてください」とお話しするわけです。
そして一方では、「披露宴3時間は長すぎる。2時間ぐらいにしたらどうか」と言う人の意見も具体的に伝えていくわけです。
いろいろな人の意見をもとに、いかに2時間半で十分なのかを理解していただくのです。
その一方で、披露宴の中身を充実させ、2時間半で本当にセレモニーのすべてが終わるような仕組みをつくっていくわけです。
そのためには、乾杯までのセレモニーを少なくとも品分で終えることが理想になります。
披露宴の前に写真撮影や挙式がありますから、少なくとも新婦は1時間30分もカツラを着けて苦痛な状態にいますから、早くお色直しをして、新婦さんをゆっくりさせてあげなければいけません。
また、お料理を目の前にして30分以上もセレモニーをしていたのでは、お招きしたお客さまに申し訳ないということを基本的な考え方にしました。
また、時間オーバーの一番の原因になるのは主賓のあいさつですので、主賓は新郎側1人、新婦側1人が理想であるということをきちんと伝えることにしました。
その理由として、主賓のあいさつが1人であれば、ほかのお客さまは自分が当たらなかったことを何かと理由をつけて納得することができますけれども、主賓が3人もいたのでは、その中に自分が入っていないとなれば、それだけで不愉快に感じてしまう人が出てしまいます。
だから、「複数にすることは避けたほうがよいですよ」と伝えることにしました。
ですから、乾杯前のセレモニーは、新郎新婦が入場して、お仲人さんがあいさつをして、新郎新婦それぞれの主賓の代表の方があいさつをして、その後ケ−キカットをして乾杯をするという手順にしました。
そうすると、その問、品分で終えることが可能になります。
そして、その後、新婦のお色直しの時間が日分です。
実はこの日分は売り上げを上げるためのチャンスにもなります。
もちろん、披露宴を盛り上げることが一番の目的です。
従って、打ち合わせをするときには、この日分は何もしないで、ゆっくり飲んで食べてもらう時間にしたほうがいいと伝えます。
「この時間を使って、お父さん、お母さんはできるだけたくさんの人にお酌をして回ってください」と伝えました。
サービスの人件費が助かって、ドリンクの売り上げが上がる、一石二鳥の活動になるわけです。
営業マンもサービスマンとして中に入ります。
そこでお酌をしながら売り上げを上げ、さらに次のリピート客にコンタクトするという仕事もできることになります。
その後、新婦の入場券二つのセレモニーとして、会場内を静かにしていただきます。
披露宴は、オーソドックスにすることが一番です。
神聖な儀式は、その土地柄に合ったようにオーソドックスにやることが、儀式を尊重し、来ていただいた人たちに敬意を表することなのだとお話をするわけです。
入場の仕方で一番オーソドックスなのは、新婦がお父さんに手を引かれて入ってきて、途中まで新郎が迎えに行って、そこで父親と交代して、新郎新婦で高砂の席まで行きます、そして、席に着いてお辞儀をして、皆さんから拍手を頂くわけです。
そうしますと、そこでいったん会場内が静まりますから、そこを見計らって、新郎側2人、新婦側2人ぐらいにあいさつを頂きます。
披露宴の途中でも静かな状態であいさつを聞くことができるわけです。
この間の所要時間がだいたい100分です。
その後、もう1度新婦が退場し、新郎が少し遅れて退場して(少しでも新郎に皆さんの前にいる時間を長くするためです)、しばらくたってからキャンドルサービスで二人一緒に入場してきます。
ここで問題になることは、新郎新婦が席を外している間にあいさつをさせるわけにはいきません。
「どうしたらいいのでしょうか」と司会者や打ち合わせをする人が言います。
そこで私たちは、結婚式というのはおもてなしをすることが基本で、余興やスピーチを頂くことばかりが大切なことではありませんので、この間はお集まりいただいている皆さんに対して、新郎新婦に代わってくつろいでいただくようにする時間にさせていただいていますと説明します。
従って、「新婦がお色直しに立った後は、新郎が残っていますから、新郎にお話ししたい人は新郎に向かってお話しして、その後は主としてお集まりいただいている方に、新郎新婦の友人や親せきが新郎新婦に代わって余興をしたり、新郎新婦の人となりをお話しして、皆さんをおもてなしする時間にしています」とお話をさせていただいています。
従って、話をする人にあらかじめそういう時間であるということを言っておいてくださいと伝えています。
キャンドルサービスは、売り上げを上げることも一つの目的ですが、披露宴のパターンの一つとしてイメージを定着させるため、オーソドックスにすることを目的にしています。
従って、新郎新婦が会場に戻ってきた後は一気にクライマックスに持っていくと盛り上がりが出ていいとお話しします。
その後、花束贈呈と両家代表謝辞を行なっていただいて、新郎新婦を皆さんで送るというやり方を基本的な流れとさせていただいているわけです。
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